こんにちは!オーナーのMISAです。
今回もPART1に続き、イギリス出身のM&Aブローカー、Neilに話をお聞きします。
MISA: 私たちアドバイザーは、どんな問題が起こり得るかを事前に予測して準備しておく必要がありますよね。
そうですね。それが良いブローカーとそうでないブローカーの違いだと思います。例えば、賃貸契約の継承をする必要がある場合には、家主の承認が必要ですよね。家主が「契約の継承に必要な情報はこれです」と伝える前に、私たちブローカーは、すでにどんな情報が必要となるか把握しているものなので、買手の審査がスムーズに進むように充分な情報を事前に早めに用意しておく方が良いでしょう。
家主が「これだけでいい」と言ってたとしても、それ以上の情報を提供することで、時間に余裕が生まれることもあります。だから、常に先を見越してプロアクティブに考え、早めに動くことが重要です。
銀行からの融資が必要な場合も同じで、先方が必要とする情報を先に整理しておく方がよいでしょう。準備しておけば、必要となったときにすぐに提供できます。そうすればプロセスが遅れることを避けられます。つまり、先を見据えて、常に1歩先を行くことが重要なんです。これにより、売却にかかるストレスと時間を減らせますね。
MISA: 私も同じタイプの考え方です。私も100万ドル以下の小規模を中心に扱ってきたので。
もっと大きな案件で、例えば400万か500万ドルくらいも扱うことはできますが、それ以上大きくなると、より複雑になるし、書類作成の手間ばかりになってしまいます。個人的には、もっとシンプルな方が好みです。
でも一方で、面白いのは、高額な案件ほどプロセスが簡略化されることもありますね。例えば5百万ドルの案のほうが、20万ドル規模の案件よりも簡単にクローズまで進められることも多い。それは、大きいプロジェクトにはきちんと会計士がついていて、人材も豊富にいて、組織化されていることが多いからです。けれども、小規模の事業を経営している人は、売却のことなど考えたこともなかったり、売却準備のためにTAX Return(米国の確定申告書)の準備すらしてくれなかったりするし…。
MISA: めちゃくちゃ同感です!(笑)10万ドル以下の取引は100万ドルの取引より難しいんじゃないかと思ったりします。
売主のタイプにもよりますけどね。ある程度の年齢に達していてリタイアを見据えている人の場合、古いスタイルで、手書きで会計取引について書き記していることもあります。個人的にはそんな伝統的なスタイルも好きはありますが…。ITに精通した若い売主であればもっと整っていますよね。本当に人によって違います。一般的には、より金額が大きい規模のビジネス程、より情報が整っているケースが多いと思います。
MISA: ビジネスの運営スタイル自体が古かったりアナログであったとしても、買手にとっては買う価値のあるビジネスであることはありますよね。だから、アドバイザーの役目はそういった見えにくいビジネスの価値を鮮明にしていって、潜在的な買手に伝えられるように明らかにすることなのかなと思ったりします。
たまにすでに買手が見つかっている案件もあって、売主はM&Aプロセスを「自分でもできる」と思って始めるケースもあるのですが、始めるとそのうちに自分の仕事に手が回らないほどの大変さに気が付いて「これは無理だ…」となるんです。私たちビジネスブローカーは、買手を見つけることだけで報酬をもらうわけではありません。買手を見つけるだけなら簡単かもしれませんが、最終契約の締結までに数カ月もの間、買手との協議や書類仕事などやることは本当にたくさんあります。だから売主は私たち(ビジネスブローカー)に連絡をするのです。私たちの仕事のほとんどは、売手と買手の間に立って、いろんな問題を乗り越えて、最終契約締結の完了までのプロセスまで導くことです。
MISA: 本当にその通りですね。いろんな中小規模の案件に携わっていると、まだまだM&Aアドバイザーの役目は世の中に必要だなぁと思う場面がよくあります。
北ダラスは日本人投資家などにとって良い投資エリアだと思いますか?
もちろん!トヨタのレクサスの本社が移動してきたことだけではなくて(笑)、このエリアは東海岸と西海岸の間に位置し、製造業の拠点に近い。国内で最も巨大な3つの空港、シカゴ・ダラス・アトランタのうちの1つであり、国内的にも国際的にも、容易に移動できます。
大企業のビジネスがここに集まってくるということは、人口がここに移動し、その後小規模なサービス業、例えばレストラン、ネイルサロンなど、様々なビジネスがここに移動しているということです。テキサス州は今、全米で上位5位に入るほど最も急速に成長している地域なのです。私は9年間テキサス州にいますが、その勢いが衰える気配は感じません。
変化が大きすぎる、速すぎると考える人もいるかもしれませんが、テキサスの人は少し違います。テキサスの人はとても独立心が強く、彼ら自身でテキサスを大切にしてきました。 だから、たくさんの企業がまだまだこのエリアには成長の余地があると考えていると思うし、この先も続くと思います。
大型案件は大きなM&Aアドバイザリー企業が支えますが、テキサスでの小規模案件なら、私たちの出番です!^^
インタビューはPART3に続きます。