こんにちは!オーナーのMISAです。
今回もPART1、PART2、PART3に続き、イギリス出身のM&Aブローカー、Neilに話をお聞きします。
MISA: それでは最後の質問です。日本人投資家がテキサスでビジネス購入を検討する際のヒントがあれば教えてください。
最高のブローカーを見つけることですね!(笑)どのような目的で、なぜビジネスの買収を検討しているのか深く理解してくれる信頼できるブローカーに依頼することです。
成約して報酬を得ることを目的にしているのではなく、買手のビジネスゴールを達成するためのベストな案件を見つけ、支援してくれるブローカーが必要です。そういうブローカーは、「この案件はあなたには適切ではない」と率直に伝えることを恐れません。多くのブローカーは、単に案件を成約させたいと考えていますが、率直にそういうことが言えるブローカーの存在がまずは何よりも大事です。
じっくりとデューデリジェンスを行わずに飛び込まないことも重要です。繰り返しですが、ブローカーだけでなくとも、会計士、弁護士、時には家族も含め、信頼できる人を巻き込んできちんとデューデリジェンスを行うことが重要です。
ビジネス買収を検討する際には、長期的に経営する場合もあると思いますが、いずれは売却を見据えていることもあるでしょう。いずれの場合も、そのビジネスが将来も価値を生み出していくことができそうかどうかの見極めが必要です。そのための準備として、専門家の助けを借りることが重要です。高くつく買い物なので、間違いを避けるために適切な人とともに検討することが大事です。
MISA: 私もそう思います。率直な意見交換をしながらクライアントと一緒に仕事をするのが好きです。
プロのブローカーとしては、必ずしもクライアントのことを常に好きである必要はありませんが、私は好きであることの方が多いです。
私が扱う案件では、ビジネスを売却したい理由はビジネス的な理由ではなく、個人的な理由が多いものです。いまの案件の売手は、35万ドルほどの売上規模でヨーグルトのビジネスで収入を得ています。売主はよく孫と一緒にいるのですが、もっと孫との時間を増やしたいと考えてビジネスを売却を検討しています。一緒にいれば、私も彼らの孫について知る機会があります。どこにいて、どれくらいの頻度で旅行しているかなんかも知ることができます。こういった情報は買手にとって役立つ情報ではないかもしれませんが、売主と距離を近くして、個人的な背景も知ることが私は好きだし、新しい友達や家族ができるような感覚になります。
もう少し大きな規模の案件でも当てはまります。以前に扱ったBBQのビジネス売却では、350万ドルから400万ドルだったのですが、この売主も子供たちともっと時間を過ごすためにビジネス売りたいと考えていたんです。多くが個人的な理由で売却を検討します。
もっと桁違いに大きなM&A案件では、そういった個人的な背景で売却するようなケースは少なく、大きな会社がビジネス的な意思決定で売却をするケースが多い。あまり私はそういうのは興味がないですね。そういうケースだと、売主に頻繁に会う必要もないかもしれないくらいですから。
MISA: 私も同じです。だから私も大規模M&Aにはあまり参画しようとは思いません。すべてがシステマティックで個人の感情が動くよう場面はなさそうですよね。
そのような案件では、ほとんどが弁護士によって書類仕事が進み、弁護士経由で売主買主双方の情報をパスし合うだけになりますよね。そんな案件、やりがいもないので何の面白みも感じないですね。
MISA: ほんとにそうですね。でも小規模案件で個人的な売却理由で動くような案件では、アドバイザーはよりメンタルを支えるような、ときにはカウンセラーのような役割を果たさないといけないと思います。
その通り。私は毎回、案件をクロージングが終わったら売主にプレゼントを送るんです。夫婦で楽しめるシャンパンだったり、お酒を飲まない場合は美容グッズなど女性が喜ぶようなものだったり。売主は感謝してしてくれて、涙を流したり、いつもハグしてくれます。私にとってはそういう瞬間がとっても大切です。自分の大事にしてきたビジネスを売却するのは、およそ10か月間くらいかかるような長い道のりですから 。 人生を変える大きな出来事ですよね。
インタビューはPART5へ続きます。