こんにちは!オーナーのMISAです。PART1・PART2に引き続き、テキサス州オースティン在住の木村原弁護士に移民ビザについてお話をお聞きします。
MISA :ビザを支給できる会社としての審査を受け合格をもらうのが最初のハードルだと思うのですが、そのとき書類を準備するのが1か月ぐらいということですよね。どんな書類があるんですか?
まず一番大事なのは投資を証明する書類です。要するに「アメリカでいくら使ったか」を証明する書類です。アセットパーチェス(資産購入・事業譲渡)の場合はアセットのリスト一覧と金額が必要です。買うときにインボイスが発行されると思うので、そのインボイスと同額のお金がアメリカで作った会社の銀行口座から支払われているかどうかがチェックされます。これの積み重ねで、投資額全体を説明していきます。
たまにですが、いろんな理由で発行されたインボイスと違う額を送金する場合もあるんです。そうなると大使館の人たちは「額が違うからこれは間違っているのでは」とクレームが入る場合があります。なので、申告する金額と書面、そして実際に支払った額が一緒であることが非常に重要です。
ビザを取得しようとしている米国に作った会社の銀行口座から、正しい金額のお金が支払われているというのが大事になります。
MISA : 申請時に添付する書類である支払証明と、動いた金額が一緒じゃないといけないということですね。
はい、そうですね。これが投資の証明ですね。
また、もうひとつ重要なのはアメリカで設立した会社のオーナーが日本人かどうかという証明です。その証明をするためには、アメリカで会社を設立したときの株主名簿などの書類が必要です。
あとは、ビジネスの形態によって変わってくるので、これといった決まった書類はないんですけども、それら以外はそんなに入手が難しい書類はないと思います。
MISA : :もしアメリカに住みたくて、ビザ狙いでビジネスを買う場合、アセットパーチェスでも会社ごと買収でも良いんですが、その投資金額が小さくてE2は不合格になりそうだなとなった場合に、しばらくは観光ビザでアメリカと日本を行ったり来たりしてビジネスをマネジメントして、通常は現地の人にオペレーションさせて、その後数年間の間に投資を追加してからE2ビザを申請するのはありですか?
ありです。すごく良いアイデアだと思います。投資額が少ない新規の会社の場合はビザ申請に非常に不利なので、ビジネスを先に始めてしまって売上がある程度大きくなった時点で申請するというのは非常に有効な方法だと思います。
MISA : :その際は、当初アセットパーチェスで誰かからビジネスを買った際の買収対価と、ビジネスを1年ぐらい運転していた期間で発生した追加投資、それを合算でビザ申請時の投資額として見てもらえるということですかね。
はい、そうなります。なのでビジネスを始めて3年後に申請するのであれば、継続して投資を証明し続ける必要がありますが、3年分の投資額を見てもらいます。
MISA : じゃあそのときの書類とか支払った証拠は、取っておかないといけないですね。
そうですね。取っておいたほうが良いです。
MISA : その場合、ビザ申請までは、アメリカに住む権利がないと思うのですが、エスタ(観光ビザ)でアメリカと日本を行ったり来たりしてマネジメントするというのは大丈夫なんですか?
あんまり大丈夫ではないですね…(苦笑)。エスタというのは、できる範囲が非常に限られていて、移民局から言わせると、「出張」扱いです。短期の出張やお客様とのミーティング程度なんですね。
私のお客様でよくあるのですが、2週間滞在の往復の航空チケットで入国するのですが、一度の米国入国で自動的に90日は猶予をもらえるので、結局いろんな理由をつけて帰りの便を90日後に延ばすわけです。90日滞在して、一度日本へ回帰ります。それから1か月後くらいにまた渡米しようとする…と、いろいろと入国の際に質問をされます。
ミーティングへの出席など、「出張」と主張しても、「週に何回なのか?何時間なのか?毎日ミーティングしてるのか?」とか、非常に厳しい質問が来ます。なので、なかなかそういうことはしない方がよいと思います。
従って、どうしてもエスタで回していかない時期がある場合は、2~3週間の渡米にして、日本に帰ってから次の渡米は1か月以上空けたほうが無難だと思います。
MISA : 可能な限りは日本でリモートでマネジメントして、渡米は変にエスタで潜り抜けるのはなるべく、なるべく避けたほうがベターですね?
そう思います。万一、入国管理局に止められて強制退去になる場合、5年~10年も米国への入国が禁止になる場合があります。
MISA : 怖いですね…。
そうなんですよ。せっかく投資をしてE2が取れそうなビジネスをアメリカで設立しても、当分アメリカに来れなくなってしまうんです。
MISA : なるほど。そこはビジネスを買収して数年後にE2を申請しようとする日本人は考えなきゃいけないところですね。
そうですね、慎重にしたほうが良いと思います。
MISA : 難しいのは、投資額が小さいほど従業員には全部オペレーションを任せられないとなるケースのほうが多いのではないかと思うんですよね。投資金額とマネジメントのしやすさは、ある程度トレードオフの関係な気がします…。でも、リモートでマネジメントできる限りやって、渡米は最小限にするしかないというところですね。
本当にそうなんですよね…。
インタビューはPART4に続きます。