こんにちは!オーナーのMISAです。PART1・PART2・PART3に引き続き、テキサス州オースティン在住の木村原弁護士に移民ビザについてお話をお聞きします。
MISA :ビジネスを選ぶときには自分の経験やバックグラウンドが活きるような事業のほうがのE2が通りやすいとかはあるのですか?
基本的にはそのような制限はないのですが、恐らく審査官は見ていると思います。レストランを経営したことがない人がレストランをやるとか…。
MISA : それ、すごくよくあると思うんですよね…。
ただし、一般的に職歴自体が長ければ、審査の際に問題になることはありません。本当に投資目的だけで買う場合もありますからね。社員として誰かがE2ビザを取ってアメリカには送るけども、オーナー本人はアメリカへ投資したお金のリターンだけを期待して投資するパターンもあるので、そこまで本人の経歴自体が問題になるということはないと思います。
MISA :投資だけ狙うパターンって、どういう業種がイメージあります?
私の知っている限りでは、塾をされている方がいます。それから、レストランをしている人も。レストランのケースは私の知り合いなのですが、結局、ジョイントベンチャーで50・50で会社を設立し、パートナーがメインでレストラン経営をしたいということで、私のお客様も半分出資したんです。
最終的にはそのパートナーがリタイアをしたため残りのシェアを買い取ったんですけどね。その日本人はアメリカには来てないしビザを取ったこともないんです。アメリカにビジネス投資し、利益を確保しているという感じです。
MISA : :会社を丸ごと買うとき、買ってEビザを申請するときは50%以上持っていなきゃいけないみたいなのはあるんですか?
50・50の比率であれば大丈夫です。例えば半数のシェアを持つアメリカの人が経営上で「これをやりたい」と言ったとき、日本人のオーナーは「ダメだ」と拒否できますよね。これを「ネガティブコントロール」といいます。このネガティブコントロールを通して会社の経営権を握っていると見なされて、50・50の比率でもOKですということになっているんです。
ただ、50・50のケースでよくあるのが、議決権がアメリカ人側のほうが多い場合があるんです。アメリカ現地で意思決定していかないと会社の運営が進まないという理由で。なので、オーナーシップが50・50の場合は、追加でいろんな書類を提出してきちんと本当に議決権も50・50であることを証明していく必要があります。従って、可能な限り51・49とか、50%以上持ってるほうがその証明は簡単になりますね。
MISA : :仮に会社をまるごと譲渡してもらってE2を狙うときに、50万ドルなど構高い金額だとしても、そのパーセンテージが30%とかだとE2が厳しくなりますか?
それがたとえば30%ずつ全部日本人のオーナーだとすれば、大丈夫です。
MISA : 現地の人が70%持ってて、30%分を日本人が50万ドル出してかったとしても、その日本人にはE2は下りないということですかね?
下りないですね。
MISA : :それはどういう理由で出ないんですか?
このE2呼ばれる投資家ビザというのは、アメリカと日本の間の条約をベースにしているビザなんです。その規定の中で、アメリカで設立した会社の最終的なオーナーが日本人でなければいけないと明記されてるんです。なのでオーナーのボーダーラインが50%なんですよね。
MISA : オーナーシップの条件でアウトだと、その会社自体がE2支給する企業としてアウトになるということですね。
そうなんです。
MISA : ありがとうございます。大変勉強になりました!
テキサスは今人気が高まっているなと思うのですが、木村先生から見てどうですか?なにか変化はありますか?
比較的ずっと景気が良い感じですね。オースティンもそうですし、ダラスもヒューストンも景気が良い感じがしますね。たぶんテキサスというのは、基本的に油価が高いと景気が良いですね。
MISA : :油、オイルですね。
そうですね、それが大きな理由かなと思います。あとは、最近は日本の中小企業の進出が非常に増えています。トヨタ米国本社が移ったということもありますが、車とは関係ない業種もたくさんテキサスに来ていますね。
MISA : 業種はいろいろですか?
そうですね、最近見る会社だと、入れ歯を作っている会社とか、あとは半導体に使う塗料の会社とか、あとは飛行機なんかの機体を作るときに使う日本の素材を扱っている会社とか…。
皆さんテキサスに進出する理由は様々ですが、ひとつとしては、現在日本のマーケットが縮小傾向にあることですね。日本の事業としては、付加価値の高いサービスを提供しているから利益自体は良いみたいなんですよ。ただ数十年先を考えたときには、ある一定の年齢層の人たちがぐっと増えるという問題があります。その時期が到来すると今の利益を維持できないだろうと考えて、体力のあるうちにアメリカに来て市場を基盤を作りたいというパターンだと思います。
もうひとつの理由は、昔は日本にある専門商社を通してアメリカのお客さんに商品を販売していたり、日本の大きな製造業者を通してアメリカに製品を供給していたりしていた中小企業たちが、最近は「直接取引してくれ」と言われるパターンが多いようで、それでテキサスに来たという会社も結構いらっしゃいます。
MISA : アメリカの中でもテキサスを選ぶ理由について、なにか聞きますか?
テキサス自体も、日本からのいろんなビジネスを誘致をしているんですよね。東京にテキサス事務所というのがあって、そこでもいろんな活動をしていますし、プラスでテキサス州は税金が低いなどのビジネスをしやすい環境があるということも挙げられるんじゃないかなと思います。
MISA : これから私も日本の中小企業にM&A案件を紹介したいですし、その中でE2ビザを申請したいとなれば木村先生と連携したいなと思っています。ぜひこれからもコラボよろしくお願いします!
ぜひ、よろしくお願いします。
今回のインタビューで投資家ビザの知見が深まり、個人投資家のM&Aをサポートする際に大事な要素を振り返ることができました。
M&Aで投資家ビザを取得しようと考えている方は、事前にポイントを押さえておくことが大切ですね。米国移住を夢見ている個人の方、米国進出を検討されている企業の方、ぜひ参考にしていただければ幸いです!
木村弁護士、インタビューにご協力いただき大変ありがとうございました!