こんにちは!オーナーのMISAです。
今回は、イギリス出身のビジネスブローカーで、私と同じアレンシティに住むNeilにインタビューさせてもらいました。
OLD IncのNeilは主に北ダラスローカルの中小規模案件をサポートしており、私がアドバイザーとして大事にしている価値観もとても共感できる部分が多くあります。
ビジネスパートナーとしてタッグを組んでくれているNeilに、アドバイザーとしての仕事について語ってもらいます。
MISA: まずは、自己紹介をお願いします。
OLD IncでビジネスブローカーをしているNeil Jankinsです。9年近くテキサスのダラス・フォートワースエリアにいます。私の仕事は、健康上の問題や引っ越し、何か別の事業を探しているなど、様々な理由でビジネスを売却することを検討しているビジネスオーナーをサポートすることです 。
MISA: どうしてテキサスに来たのですか?
実は、私の妻がトヨタのレクサスで働いていて、本社がカリフォルニアからテキサスへ移動してきたときに、シカゴから一緒に引っ越してきました。
MISA: M&Aアドバイザーの前は何をしていたのですか?
ビジネスオーナーとして、経営に携わっていました。イギリス出身なのですが、ジョージア州のアトランタでアイリッシュパブを経営していたんです。売手と買手の両方の立場を経験できたので、当時の経験がいまのビジネスブローカーとしての仕事にも役立っていると思います。
MISA: 経営側としての経験はどうでしたか?
仲間と相談をして事業を始めたのですが、実際に自分がビジネスオーナーになるまで、経営をするということがどういうことを意味するのかわかっていなかったと痛感しましたね。
小規模事業者にとって、レストランの経営は物理的にも精神的にも難しいビジネスですが、私自身はレストラン事業が好きでしたし、たくさんの学びがありましたね。
MISA: 確か、コロナ禍の不況も生き残ったんでしたっけ?
いいえ、コロナ禍ではなく、リーマンショックですね。2008年に最初のレストランをオープンしたんです。不況により小規模ビジネスは大打撃を受けましたが、そんな厳しい時期を生き残り、10年間レストランを経営し続けられたことを誇りに思います。
コロナ禍に入る数年前にレストランを売却したので、コロナの影響は受けずに済みました。経営者としての経験を通じて、ビジネスオーナーが誰しも経験する困難を自分で経験することができたと思います。今は売主ブローカーとして、売主の心情に共感することができるので、ビジネスを売却をお手伝いする時は、本当に感慨深い気持ちになりますね。
MISA: 自分のビジネスを売却する際、1番大変だったことはなんですか?
とにかく、まず「何から始めたら良いのか?」「誰に相談したらいいのか?」ということすら、検討もつかなかったです。家を売る時とは全く違い、ビジネスを売却する場合は、顧客や従業員に伝えることはできないし、信頼できる友人のような関係性だった店長さえ、ビジネスを売るだなんて伝えられませんでした。それがビジネスオーナーとして、一番のストレスでしたね。
MISA: 自分の事業を売却するのって、大事に育ててきた子供を売るようなことですもんね。
そうですね。私のようにゼロからレストランを作り、内装をすべてをキレイにしたりして、オーナーとして事業を大事にしているケースでは、ビジネスを売却するときには、だれか他の人の手に渡ったとしてもそのビジネスを継続してほしいし、成功させてほしいと考えていることがほとんどです。もし家を買うのと同じようにビジネスを買って、すぐに手放すような場合はとくに感情的になったりはしません。でも、私のようにゼロから始めたビジネスを売却するケースでは、尽くしてきた時間の分、想い入れがあるので本当に感傷的になりますね。
MISA: M&Aアドバイザーとしての仕事の魅力はなんですか?
いまの自分の仕事を「M&Aアドバイザー」と呼ぶのが相応しいのかどうかというと、微妙ですね。
「M&Aアドバイザー」と聞くと、普通は最低でも5百万ドル以上とか、数十億ドル規模と大規模なビジネスの売却を指すような気がします。
一方、私の場合は、原則は中小規模(50万ドル前後かそれ以下)しか扱っていないんです。だからあまり「M&Aアドバイザー」という感じではないですね。ですが、私は自分の意思でこの小規模案件の領域で当事者たちをサポートすることに熱意をもっています。買手は、全くの同業種を事業継承するケースもありますが、通常はビジネスドメインを多様化させたり、初めてビジネスを買収して独立して事業者になろうとする買手のことが多いですね。たとえ大規模なM&A案件であっても、プロセス自体は全く同じです。
この仕事の魅力は、毎回、案件ごとに違うストーリーがあることだと思います。例えば、私が日本食レストランを売るとします。4つのレストランがあれば、それぞれに全く異なるストーリーがあります。
店をオープンした理由も違えば、売却する理由も違う。売却する際に勃発するいろんな問題も千差万別です。ローンで買収する場合は、銀行からファイナンスの承認がおりるかどうか気にしたり、もしキャッシュバイヤーなら全然関係ないし、継承にあたり家主との賃貸契約がややこしいとか…。本当に様々です。
だから、ビジネスを売却するというよりも、問題を解決する役目という方が正しいですね。「M&Aアドバイザー」と名乗るよりも、「問題解決アドバイザー」と名乗るほうがしっくりきます。ビジネスの売却には常に問題がつきもので、問題の大きさも様々です。いつ何が起こるのかわからない問題が常に潜在的にあります。
しかし、そのストレスを最小限にしたり、可能な限り回避することが私の仕事です。売主から案件を受託したら、ビジネス売却に向けて取り組んでいる間は、売主には可能な限り日々の業務に専念してもらいたいからですね。完全には事業に集中するのは難しいことかもしれませんが、6から12カ月間、私たちが彼らのために問題解決人(フィクサー)あるいは解決策の発見者(ソリューションファインダー)として全力を尽くすんです。それが私たちの仕事です。
インタビューはPART2に続きます。