開発会社である近鉄グループホールディングス株式会社のコンサルタント、アレハンドロ・バスケス氏によると、「Miyako Hotel(都ホテル)」の建設工事が10月15日に開始される予定です。
この217室のホテルは、近鉄グループが所有・運営する「Miyako Hotels & Resorts」ブランドとして展開されます。近鉄は鉄道や百貨店も手掛ける日本の大手企業です。

ホテルはトヨタ北米本社近くに建設され、キャンパスを訪れる企業関係者の宿泊先として人気を集めると見込まれています。さらに、プラノ市は企業集積地として成長を続けており、多様な旅行者や企業の利用も想定されています。ホテル北側にある旧JCPenney本社敷地は、10億ドル規模の複合開発へと変貌予定です。

2027年秋に開業予定
Miyako Hotelは2027年秋の開業を予定しており、130人以上の雇用創出が見込まれています。宿泊料金は1泊350ドルからで、総工費は1億1,700万ドル(約182億円)とされています(テキサス州許認可局の7月22日付資料より)。なお、この数字は暫定的で変更の可能性がありますが、建設計画の初期像を示しています。

予定される施設・特徴

  • 伝統的な日本料理レストラン
  • 高級感あるロビー&ルーフトップバー
  • 日本のベーカリー
  • 宴会・会議スペース

ホテルは日本の風習と南部流のおもてなしを融合させ、細部にまで和の美意識を反映する方針です。
「特に屋上パティオには多くの期待の声があります。ダウンタウン以北では珍しく、人気スポットになるでしょう」とプラノ市経済開発局長のダグ・マクドナルド氏は述べています。

バスケス氏は、トヨタの存在だけでなく「主要企業への近接性」が立地選定の最大の条件だと説明します。
「私たちはコーポレートホテルです。日本を愛する米国外の顧客を多く迎えることになるでしょう」と述べました。

地域開発との連動
トヨタは、ホテル近くに整備予定の5エーカー(約2ヘクタール)の市立公園「Mendomi Park」の資金として1,500万ドルを拠出。将来的にはホテルがトヨタや地元企業、消防・警察などのイベント開催拠点になる可能性もあります。

他の都ホテルではマリオットと提携して予約システムを利用する例もありますが、プラノのホテルは独立運営となります。近鉄は日本国内に約20軒、米国ではロサンゼルスとトーランス(カリフォルニア州)にホテルを展開しており、今回がテキサス初進出です。

「都」という名称は日本語で「首都」を意味し、近鉄の発祥地である京都・関西地域とのつながりを示しています。近鉄は鉄道・インフラ事業に加え、ホテル事業を重要な収益源と位置づけています。
「面白いことに、近鉄は実はダラスのDART電車を設計した会社なんですよ」とマクドナルド氏は語ります。

近鉄アメリカ法人は、トヨタとの協議を経て2019年にホテル用地を購入しました。

トヨタがもたらすプレイノへの波及効果
マクドナルド氏によると、トヨタが2014年に本社をカリフォルニアからプラノに移転して以来、40社以上の日本企業が市内に拠点を設けました。
この「トヨタ効果」は日本企業の米国進出に大きな影響を与えており、プレイノは自然な投資先として選ばれるようになっています。

特に州道121号線とダラス・ノース・トールウェイ周辺は、北テキサスで最も注目されるビジネスエリアのひとつとなっており、プラノ市は近鉄との関係構築のため日本を訪問。市議会承認待ちではありますが、税還付インセンティブの提供も予定しています。

「トヨタとの関係はこれまで以上に強固です。ほぼ毎週トヨタ関係者と話をしています」とマクドナルド氏は述べ、レガシー・ビジネスパークや地域全体の発展に繋がる成功したパートナーシップだと強調しました。

Miyako Hotelは、北テキサスが持つビジネス環境の良さ、教育水準の高さ、独自の文化、交通インフラ、人材の豊富さを背景にした、国際的企業投資の新たな象徴となるでしょう。


参考