テキサスと聞くと、「年中あたたかい」「冬でも半袖で過ごせる」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
でも、実際に移住してみるとわかります――テキサスの冬、意外と寒い!

特に北テキサス(Frisco、Plano、McKinneyなど)は内陸部にあるため、朝晩の冷え込みが厳しく、
12月〜2月は氷点下になる日も珍しくありません。
暖房の使い方や乾燥対策を知らないと、体調を崩したり電気代が跳ね上がったりすることも。

今回は、**「テキサスの冬支度」**をテーマに、
アメリカ式暖房の特徴、節約のコツ、子どもやペットがいる家庭の注意点までまとめてご紹介します。


🏠 テキサスの家の暖房は「セントラルヒーティング」が主流

日本のようなエアコン暖房や石油ファンヒーターはほとんど見かけません。
テキサスの住宅では、**「セントラルヒーティング(Central Heating)」**と呼ばれる全館暖房が主流です。

🔹 仕組みをざっくり説明

天井裏や床下にダクトが通っており、
中央のヒートユニットで温風を作り、各部屋に送り出す仕組みです。
冷房と同じ機械で暖房もまかなう「セントラルエア(HVAC)」が一般的。

部屋ごとに温度を変えられないため、家全体が一気に暖まる一方、
**「電気代が高くなる」「乾燥しやすい」**というデメリットもあります。

💡 操作ポイント

  • Thermostat(サーモスタット)で温度を設定(華氏表示が基本)。
    → 日本の20℃はだいたい68°F
    前後。
  • 寝る前や外出時は**60°F(約16℃)**まで下げると節電効果◎
  • 起床時間に合わせて自動で暖まるように**“Schedule機能”**を使うと快適。

NestやEcobeeなどのスマートサーモスタットを導入すると、
外出時の自動OFFやアプリ操作もでき、光熱費が10〜15%節約できることもあります。


❄️ テキサスの冬は「乾燥+温度差」に注意!

「日本の冬より寒くない」と油断していると、
思わぬ体調トラブルを起こすのがテキサスの冬の特徴です。

🔹 日中と夜の気温差が大きい

11月〜2月の平均気温は、

  • 昼:18〜22℃
  • 夜:0〜5℃

日中はぽかぽかでも、夜になると急に冷え込みます。
ヒートユニットが夜間フル稼働すると、電気代が一気に上がることも。

🔹 乾燥は想像以上!

セントラルヒーティングは空気を温める方式のため、湿度が極端に下がります。
肌のかゆみ・喉の痛み・静電気が気になる人も多いです。

💡 対策として:

  • 加湿器を導入(大きめサイズをリビングに)
  • バスルームのドアを開けて入浴後の蒸気を利用
  • 観葉植物水を入れた花瓶を置くと自然な加湿に
  • 寝室には濡れタオル+サーキュレーターでも効果あり

🔌 電気代を抑える節約テク

セントラルヒーティングは電力消費が大きいので、
11月〜2月の電気代は夏より高くなることも。
工夫次第で月$50〜$100の差が出ることもあります。

💡 節約のポイント

  1. 温度設定を1°F下げるだけで年間約3〜5%節電。
    → 68°F設定が標準。寝るときは60°Fに。
  2. フィルター掃除を月1回!
    → 目詰まりで効率が落ち、無駄な電力消費に。Home Depotなどで$10程度で購入可。
  3. サーキュレーターを併用。
    → 暖かい空気は上にたまるので、天井に向けて空気を循環させる。
  4. ブラインド・カーテンを活用。
    → 日中は太陽光で自然に部屋を温め、夜は閉めて保温。
  5. スマートサーモスタットで自動制御。
    → 在宅時間に合わせて暖房をON/OFF、自動最適化してくれる。

🧣 冬支度の必需品リスト(北テキサス版)

冬の備えといっても、雪国ほどではありません。
とはいえ、**停電や寒波(Freeze Warning)**が来ることもあるため、
最低限の備えをしておくと安心です。

カテゴリーおすすめアイテム備考
保温ブランケット、電気毛布セントラル暖房+局所暖房で節約
加湿加湿器 or 濡れタオル+扇風機朝の喉ケアに◎
足元スリッパ、カーペットラグテキサスの家は床冷えしやすい
非常用懐中電灯、モバイルバッテリー、ポータブルヒーター停電対策として
ベビー&キッズスリーパー、スワドル、保湿クリーム赤ちゃんは特に乾燥注意
ペットペットベッド、保温マット犬・猫も床冷え対策を

特にテキサスでは、2021年に記録的寒波(Winter Storm Uri)が発生し、
停電や水道凍結が広範囲で起こりました。
それ以来、多くの家庭が「ポータブルヒーターと懐中電灯」を常備しています。


🪟 家の“すきま風対策”を忘れずに!

新築でも意外と多いのが「ドア下のすきま風」。
外気が入ると暖房効率が下がり、部屋がなかなか暖まらない原因に。

💡 対策法:

  • ドアの下に「ドラフトストッパー(draft stopper)」を設置
  • 窓際には「断熱カーテン
  • コンセントまわりのパッキン補強も地味に効果あり

これらはHome DepotやLowe’s、Amazonでも購入可能。
テキサスの家は“広いけれど断熱が甘い”ことが多いので、ちょっとした工夫が節電にもつながります。


🌬 ヒートポンプとガスヒーター、どっち?

家によっては「電気式(Heat Pump)」と「ガス式(Gas Furnace)」の2タイプがあります。

タイプ特徴注意点
Heat Pump(電気)エアコンのように空気を循環させて温める。効率が良いが、極寒だとパワー不足。氷点下の日は“補助ヒーター”が作動して電気代が急上昇。
Gas Furnace(ガス)炎で空気を直接温めるため、暖まりが早い。年1回の点検を推奨。CO検知器(Carbon Monoxide Detector)を設置。

賃貸の場合は、契約前に「Gas or Electric?」を確認しておくと光熱費の見通しが立ちやすくなります。


🛏 夜の過ごし方と睡眠のコツ

夜間の気温差が激しい北テキサスでは、
「寝室は暖かいのに乾燥で喉が痛い」「子どもが夜中に汗をかく」などの悩みが多いです。

おすすめの工夫は:

  • 就寝時は暖房を**少し低め(64°F程度)**に設定。
  • 厚手のブランケットよりも軽めを重ねるほうが体温調整しやすい。
  • 赤ちゃんや子どもには、スリーパー(着る毛布)を活用。

寝る前に**ハーブティー(カモミールやルイボス)**を飲むと、
喉ケア&リラックスにも効果的です。


☃️ まとめ:冬のテキサスは“寒さ対策”より“乾燥&省エネ対策”を

テキサスの冬は短いけれど、侮れません。
寒波が来れば氷点下、晴れれば昼間は半袖――そんな気まぐれな気候だからこそ、
**「自動で温度管理できる環境+乾燥ケア」**が冬支度のポイントです。

セントラルヒーティングをうまく使いこなしながら、
お肌や喉、そしてお財布を守る工夫を。

冬でも明るいテキサスの空の下、
心地よくあたたかいおうち時間を過ごしましょう。