1. 一言で説明
E2ビザは、日米の「通商・航海条約」に基づき、米国で事業に投資して運営する日本人が取得し得る投資家ビザです。M&Aで既存企業を買収し、自ら経営に関与する形でも申請できます。
2. 詳しい解説
E2ビザのポイントは「十分な投資」「実体のある事業」「投資家が指揮・運営すること」です。投資額に法律上の最低金額はありませんが、事業を回すのに足りる“相応”の額が求められ、個人資産のリスクを伴う(返金保証がない)形で拠出されている必要があります。さらに、単に生活費を稼ぐだけの小規模ビジネスではなく、雇用や売上が見込めること(marginalではないこと)を事業計画で示します。日本の在留資格と違い、米国では「投資の実行状況」や「資金の流れの証拠」が審査の中心になります。
3. テキサスM&Aでの具体例や注意点
たとえばダラス近郊でサービス業(清掃、HVAC、物流関連など)の中小企業を買収し、買収資金の一部を自己資金で拠出、残りを融資で組むケースがあります。この場合、買収契約がE2前提だと、クロージング前後の設計が重要です。よくあるのは、購入代金をエスクローに預け「ビザが下りたら放出(下りなければ返金)」とする形で、投資のリスク性を保ちつつ過度な危険を避けます。一方で、SBAローン(米国中小企業庁の制度融資)は永住者等が要件となることが多く、E2申請者は使いにくい場合があります。融資条件や担保設定がE2の“投資家本人のリスク”を弱めないかも確認が必要です。公的情報としてはSBAの融資概要(https://www.sba.gov/funding-programs/loans)が参考になります。
4. まとめ
E2ビザは「投資して、米国で事業を動かす」ことを示せれば、M&Aでも十分に狙える選択肢です。成功の鍵は、買収スキームと資金証憑、そして現実的な事業計画の整合性です。
5. コメント
私たちがテキサスでご支援した案件でも、企業価値の交渉以上に「クロージング条件」と「送金〜エスクロー〜支払いの証拠づくり」に時間を使いました。買収自体は良いディールでも、契約書の一文で“投資がまだ確定していない”と見られたり、逆にリスクを負い過ぎたりします。M&Aとビザは別領域に見えて、実務では同じ一つの設計図で動かす必要があります。最初からビザ前提でDDと契約条件を組むと、後戻りコストが大きく減ります。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としており、法的・税務的なアドバイスではありません。詳しくは専門家にご相談ください。
