こんにちは!オーナーのMISAです。今回は、北ダラスに40年暮らしているビジネスブローカーのAllen Faradinehさんにインタビューさせていただきました。
ビジネスブローカーの仕事の魅力や、失敗例からみるビジネス買収の注意点についてお話をお聞きします。
知識がない買手に適したビジネスを!
MISA: まず、ビジネスブローカーの仕事の魅力は何ですか?
そうですね、一つは人を助けることです。買手は、ある業界に興味を持ってそのビジネスを買いたいと考えています。その業界についての知識はあまりありませんが、アイディアは持っていて、学びたいという意欲があります。だから私は、彼らに適したビジネスを見つけることが仕事だと思っています。
そして、じっくりビジネスを評価し、書類を確認し、それが合法的であることを確認し、ビジネスを購入した後に何をすべきかを伝えるのです。多くの場合、ハードワークと持続的なエネルギーが必要です。オーナー不在の経営スタイルで自分以外の適任者を配置することもありますが、時には自分自身でハードワークをしなければならないこともあります。私が思うに、買収対価が高いほど、従業員のみで仕事を回しやすく、リモート管理しやすい体制になっています。
安易なオペレーション変更が招く破滅の道
MISA: Allenは過去にレストランビジネスを売却していますが、ご自身の経験から何を学びましたか?
買手がビジネスを購入する際、すぐに独自の変化を加え、自分色に染めたがることが本当に多いです。新しい買手へのアドバイスとしては、少なくとも3~6ヶ月間は旧オーナーのやり方を素直に見て学び、変更を加える場合はゆっくりと行い、それらの変更が生産的で従業員を助けるものであることをじっくりと確認すべきだということです。その改善が従業員を支援するものであれば、その改善効果は従業員から顧客へ伝達し、やがてビジネスを大きく成長させることにつながります。ビジネスが拡大すれば、オーナーとしての収益も増えますからね。
MISA: 過去の失敗例があれば教えていただけますか?
長い間良好な経営がされてきたあるレストランを、レストラン事業に関する経験が全くない男性が、約9万ドルで購入しました。彼はビジネスに関する経験がなかったので、契約の一部としてトレーニングを受けることが含まれていました。また、レストランには完ぺきな管理体制が整っていました。
ところが彼は、トレーナーのアドバイスを聞かずに初日から変更を加えてしまったのです。そしてトレーニング期間が終了し、俗にいう「ハネムーン期間」が終わると、3ヶ月後に彼から連絡があり、彼が施した変更がすべて裏目に出たということでした。
MISA: 買手はどのような変更を加えたのですか?
例えば、レストランのサービスでは、すべてのアイテムをテーブルに置かずに、ウェイターがテーブルまで持ってくるのが最善の方法です。なぜなら、多くの顧客がそれらのアイテムをポケットに入れて盗んだり、無駄使いしたり、ゴミに捨てたりするからです。
MISA: ケチャップやマスタードなどですか?
そうです。ケチャップ、マスタード、タバスコ、A1ソースなどです。これらはすべて食材費に含まれるため、無くなると補充しなければならず、利益に影響します。ところが彼は、すべてのアイテムをテーブルに常設するように変更を加えました。
また、従業員は店の料理を半額で食べることができました。そして、そのディスカウントが許されているのは特定のメニューだけでした。しかし、彼は、すべてのメニューの中からどれでも無料で1つ注文できるように変更しました。
その結果、彼らはメニューの中で最も高価なTボーンステーキを注文し、毎週一回無料で食べることができたのです。これにより食材費が急増しました。かつてそのレストランにはシフトリーダーやマネージャーが全員揃っており、午前と午後それぞれに一人ずつ配置されていました。ところが、3~4ヶ月後に彼が私に連絡をしてきたとき、彼はすべての従業員を追い出さざるを得ない状況に陥り、残っていたのは彼とウェイトレス一人、そしてコック一人だけでした。
MISA: それは採算を考えずにやってしまいましたね・・・・彼は皿洗いもしていたのですか?
はい、彼は皿洗いをしたり、床を掃除していました。私は結局、彼がそのレストランを売却するのを手助けし、結果、9万ドルの購入で6万ドルの損失を出しました。買手がビジネスを購入して、安易にさまざまな変更を加え、「オーナーが不在でも自動で運営が回るようにすれば、自分で何もする必要がなくていい」という考えでいると、こうしたことが起こりうるのです。
私は常に買手に対して、売手が毎日、毎月、毎年、一体何をしてきて、年間、または3年でどれだけの収益を上げてきたのかを伝えます。それは保証ではなく、その収益を上げるためには同等の努力しなければならないということを示すためです。独自の経営スタイルを取り入れた結果、うまくいけば収益は買い取る前よりも良くなるかもしれません。しかし、やみくもに変更を加え、食材費や給与を上げるとなると、収益は同等にはなりませんよね。
MISA: 買手の大失敗事例ですね・・・・!
インタビューはPART2へ続きます。
翻訳・執筆者:前田美緒(プロデューサー・ハウス)