こんにちは!オーナーのMisaです。今回はPART1に引き続き、ビジネスオーナーとして活躍しているElizabeth Mahusayさんにお話をお伺いします。

経営者に寄り添うパートナー、ビジネスコーチの重要性

Misa:ビジネスコーチとして働くElizabethが考える、ビジネスコーチをつけることの重要性とはなんですか?

とてもいい質問ですね。
ビジネスコーチをつけることが重要だと考える理由はたくさんあるので順不同で説明します。


1つ目の理由は、人々は自分が見落としている部分に気づくことが難しいからです。
人々はみんな見落としてしまうところ・気づかないところがあり、それを私たちはブラインドスポットといいます。私たちビジネスコーチは、そうしたブラインドスポットを明らかにし、経営者や専門家が必要な変更を加えられるようお手伝いをします。
これは私がいつも話すことなのですが、人々は自分が認識していないものは変えられないし、自分が知らないものは認識できないのです。だからコーチは、人々が認識していない点を見つけてあげて、それらに手を加えるかどうかは彼ら自身が判断できるようにしています。つまり、まずは自分では気づかないことを知るために、第3者が必要だということです。

2つ目は、ビジネスに対して私情を挟まない第3者のパートナーを持つべきだからです。
自分のビジネスに日常的な関わりのない人の、客観的・生産的意見が必要となります。そのような意見は、経営者や幹部にとっても非常に貴重なものなのです。また、パートナーを持つことは、自分には味方がいるんだという安心感にもつながります。

3つ目の理由は、ほとんどの経営者には、責任を問いただしてくれる上司がいないからです。
責任感は誰しもが持つべきものです。例えば経営者が「職務経歴書書くことに集中したい」「プロセスを見直したい」と思ったとき。もし彼らがビジネスコーチをつけていなければ、誰も責任を問いただしてくれません。「金曜日までに〇〇をやる」と言ったとき、「予定通りにできましたか?」と聞いてくれる人がいないのです。

個人が自分自身で道筋を立てたり、できなかった言い訳を考えたりするのは簡単なことです。正直なところ、私たち経営者は、多くのことに時間を取られていますよね。そんな中で、本当は取り組むべきことにまだ手をつけていないという状況を正当化するのはとても楽なのです。なぜなら私たちは、今やるべきだと思ったことだけをしているからです。このような行動を繰り返してしまうなら、ビジネスにとらわれて良くない傾向にあると言えるでしょう。ビジネスに「取り組む」のではなくビジネスに「囚われる」と、行き詰まってしまう。本来のスピードで成長することができなくなってしまいます。

そして4つ目は、個人それぞれの成長すべき点を見つける必要があるからです。
それはスキル開発かもしれないし、リーダーシップ開発かもしれないし、専門的な開発かもしれないし、あるいは個人的な成長かもしれません。私は、人々はみんな成長しつづけるべきだと考えています。苦手分野を特定し、成長を促してくれる人がそばにいると、その人は成長し続けることができるのです。このことは固定概念からの解放と、成長思考の持続にもつながります。

とにかく質問!Elizabeth流“ブラインドスポット”の見つけ方

Misa:お話を聞いていて、ブラインドスポットを見つけるのはとても難しそうだと感じました。ビジネスコーチとして、ブラインドスポットを見つけるコツなどはありますか?

コーチとしてブラインドスポットを見つけるコツは、とにかくたくさん質問をすることですね。客観的に、会話の一歩外から判断や意見を下すことを心がけて状況把握のための質問を繰り返します。状況を理解していると思い込まず、少しでも状況を探るために質問をするのです。クライアント目線で状況を理解する唯一の方法が、たくさんの質問をすることです。クライアントは質問に答えながら「ああ、そうだったのか」と気がつくのです。

例えば、あるクライアントは、「きちんと周りを整理整頓しながら仕事することや、システム化による業務効率化を図ることを避けている」 と話していました。それらは退屈で、面倒で、細部重視のものだと考えていたそうです。そこで私は、「避ける」とは具体的にどういうことかと質問してみました。すると、その質問に対するクライアントの返答によって、彼の言う「避ける」の意味がより明確にわかってきました。そこから他の質問を続けていき、一連の質問を通してクライアント自身が「ああ、そんなこと考えたこともなかった」と自分自身で気がついていくのです。このようにして、ブラインドスポットを発見していきます。

Misa:すばらしいですね。 でも、日常生活の90%はコーチと対話できないですよね。もしも自分自身にコーチング的な投げかけをするとしたら、どのような質問が重要だと思いますか?

とてもおもしろい質問ですね。
私はクライアントとほとんどの場合月に2回会うのですが、その間に何をするかで、クライアントがどれだけ早く前進できるかが決まります。そのため、セルフコーチングはとても重要なのです。セルフコーチングは、先ほど説明したクライアントへの投げかけを、自分自身にやってみることです。もし私が自分自身にコーチングをするならこのような質問を投げかけるでしょう。
「Elizabeth、時間の使い方は合ってる?」
「あなたにしかできないことは何?」
「アシスタントに任せられることは?」

時には、集中力を取り戻すための声がけをすることもあるかもしれません。ある仕事に取り組んでいて、心の乱れを感じたら、ただ自分自身に「Elizabeth、集中しなさい」と言い聞かせます。

もうひとつのセルフコーチングのポイントは、何を考えるか、どのように時間を管理するかということです。これはとても大切なことです。クライアントのほとんどが、計画的な時間の使い方ができず途方に暮れることがあります。いつも緊急事態が襲いかかって時間を奪っていくのです。その結果、本当に重要だったことが成し遂げられず、罪悪感に苛まれ、落胆し、憤りを覚え、打ちのめされるという負のサイクルに陥ってしまうのです。しかしセルフコーチングをすれば、自分の貴重な時間をどのように使うか考えられるようになります。このように、セルフコーチングの一環として自分に問いかけることで、時間の真の価値がわかるようになるのです。

Misa:とてもためになる回答をありがとうございます。Elizabethにとっての、ビジネスコーチとして働くことへの情熱を教えていただきたいです。

毎朝、仕事へ行く前にすることがあります。「私は個人や組織の人生にポジティブなパワーを与えて、良い影響を及ぼす人になる!」と宣言するのです。私は信仰に基づいた人間であり、神様の見えないパワーを信じています。今私が情熱を捧げているのは、私が授かった「人々にポジティブな影響を与える力」という強みを生かすことです。クライアントとの会話を通して、その人が変わっていく手助けができるのです。それは個人にだけでなく、社会への貢献にも影響を与えます。

それだけでなく配偶者としての姿、親としての姿、友人としての姿にも影響を与えていくのです。その変化の一助となれることを、私はとても光栄に思っています。そのため、人々とコーチングの関係を築けることに私はありったけの情熱を注いでいます。

インタビューはPART3へ続きます。


翻訳・執筆者:関口舞(津田塾大学 学芸学部英文学科)