こんにちは!オーナーのMisaです。 今回はPART1に引き続き、不動産仲介エージェントとして活躍しているSandra Millsさんにお話をお伺いします。
仕事とクライアントへの愛:成功への鍵は「楽しむこと」
実際、買主のために本当に良い仕事をすると、それがビジネスの始まりになります。中には買主を好まない人もいますが、私は買主が大好きでした。はじめは、買主しか担当することがありませんでしたが、とにかく家を見せたり、見学ツアーをしたり、そういったことをするのが本当に楽しかったです。 しかし、以前、当時のリーダーにこう言われました。
「サンドラ、君はよくやっているよ。でもこの業界に長くいたいなら、売主のエージェントになるべきだ。買主のエージェントだけではダメだ。買主のエージェントとしての仕事は、取引が完了すればそれで終わり。だけど、たくさんに人にエージェントとして知られるようになるは、売却物件の前に掲げられる看板にエージェントとして自分の名前が載ることが必要だ。その看板には、売主のエージェントの名前が載るものだからね。 」理解するのに少し時間がかかりましたが、私はこのように考えました。
「買主は、いつか売主にもなる。その時も私彼らの売主エージェントとして稼働し、買主のサポートもしたい」そこから私はクライアントとの関係を重視するようになり、また売主のエージェントになることの重要性も理解しました。しかしそれは私が買主のために良い仕事をしていれば自然に起こることなのです。実際、今では売主のエージェントもしています。私の担当した買主の何人かはすでに家を売却しています。その売却の過程も大好きです。
売主との仕事と買主との仕事には少し違いがあります。売主の場合、最初にたくさんの作業が伴います。家をマーケットに出す準備をしたり、写真を撮ったりするのです。この作業もとても好きです。家を見に行くのは、買主とでも売主とでも好きですし、売主からの「どうしたらこの家をもっと価値のあるものにできますか?」という問いに答えるのも楽しいです。彼らの予算に応じてアドバイスをし、「あまり多くは使えない」と言われれば、「それなら照明器具を変えてみましょう。一部の壁の色を塗り替えるだけでも良いです。明るく見せましょう」といった提案をします。 私は、売主が少し手を加えて、ホームステージングをする手助けをします。予算があれば、ステージング専門家を紹介することもあります。空き家の場合は、家が売りに出される際や家の写真が公開されるときに、最高の状態にしたいです。
例えば、海外の誰かがその写真を見ても「なんて良い家なんだ!」と思えるようにするんです。実際に見に来なくても、他の州や国から家を購入する人もいます。私はそういった購入者にも対応できるようにしたいのです。私は、売主が良い売却条件の可能性を最大限引き出せるようサポートをしています。
ですが私が買主と一緒に家を見に行き、いざ中に入ると、家がきちんと整理されていないことがあります。 それでは彼らの時間も、私の時間も無駄になります。ほとんどの場合、そのような状態だとクライアントは家に入ってもすぐに出てきてしまうのです。家そのものは素晴らしいのに、散らかっていたり汚れていたり、整理されていないと、そのことだけがクライアントの印象に強く残ってしまいます。そうなるともう彼らはその家が欲しくなくなってしまうのです。 そこで、私は売主に成功するための最善策を教えています。または売主が自ら私に手伝ってほしいと言う場合もあります。
滅多にないケースですが、一度だけ売却依頼を断ったことがあります。家が本当にひどい状態だったのです! その家は売主が投資用に所有していたもので、少なくとも1年以上住んでいない状態でした。ペットを飼っていたようで、リビングルームの一角には動物の排泄物が残っており、ひどい匂いがしました。売主は普通に歩いていて、何も気にしていない様子でした。家の中を調べると壁にはひびが入っていました。基礎を修理するかと聞くと、彼女はキッパリと「修理するつもりはない」と答えました。そして、私は市場分析を行いました。 彼女は低い価格で売りたくない、高い価格で売りたいと言いました。しかし基礎部分を修理はせず、ブラインドや古い家電もそのままにしたいと言っていました。ですが家の中を確認すると、小型から大型まで、たくさんのネズミがいたのです。ついに彼女に「申し訳ありませんが、あなたのエージェントにはなれません」と伝えました。
Misa: それは・・・建物を取り壊して最初から建て直す方が良いような気がします。
その通りです!それでも、私は彼女の成功と幸運を祈っています。ちなみにこの案件は友達が紹介してくれたものだったのですが「この案件は受けたくないかもしれない」と事前に教えてくれました。このような例外も中にはありますが、どんな案件でも私は通常、クライアントが成功できるようにアドバイスをしています。
「蜂蜜のように甘く、皮のように頑丈」:クライアントファーストの精神と巧みな交渉術
私が目指していることは、可能な限り早く売却を成立させ、クライアントが気に入った家を購入するお手伝いをすることです。 私の以前の部下たちがくれた言葉で、とても大切にしているものがあります。マネージャーやディレクターを務めていたとき、70人ほどの社員を抱えていました。その中のある一人の社員が 「あなたはまるで蜂蜜のように甘く、革のように頑丈だ」 と言ってくれました。 優しさだけでなく、逞しさや強さを持っているから仕事をやり遂げる力があると。
私は人に何かをお願いするとき、どう伝え、どう話すかがすべてだと思っています。交渉のときでもこのことを意識し、とても敬意を払って対応しています。 買主との交渉のときはいつも 「この家には50個の問題がありますが、本当にこの家が欲しいのなら、その中であなたが最も重要視する10個を選びましょう」 とアドバイスします。そして、売主にそれらの項目を差し出すときは 「この家にはこれだけ問題がありますが、クライアントが重要視するのはこれらの項目です。考慮していただけませんか?」 という形で話を進めます。 交渉でどのようにポイントを伝えるのかが、とても重要であり、結果を左右すると私は考えています。買主がほしい家を手に入れ、売主はできるだけ多くの利益を得ること。それが私の望むことです。
私は「クライアント中心」そして「結果重視」をスローガンとして掲げています。
クライアントにどれだけの利益をもたらすことができるか、ということに全力を尽くしています。売主が期待以上の金額を得たり、買主がお得に家を購入できたりするととてもうれしいです。大抵の場合、私はどのエージェントよりも最適な価格で買主に物件を提供できると思っています。
それは、私の取引における人々との関わり方だけでなく、市場分析やデータを用いた物件の真価の見極め方を信頼していただいているからです。物件について詳しく調べよく知った上で、売主や買主にこのように伝えます。 「その家は50万ドルで記載されていますが、私の担当した他の家は45万ドルで売れています。本当に50万ドルを支払いますか?」 クライアントが「どうしてもこの家がほしい」と言うこともあります。その場合は承諾し、この家が相場を超えていること、この物件には様々な要素が絡み、査定ができない可能性があることを説明します。また、相場を超えていても支払う意思があるかどうか、ない場合はこの家を購入できなくなる可能性があることを伝えます。 私の役目は、私の持つリソースや知識を基に最善の情報を提供することです。他のエージェントと自分を比較する際に強みとして挙げられるのは、私が物件の真価を見極めるために利用可能なものを調べ、それを最大限に活用している点です。
インタビューはPART3に続きます。
翻訳・執筆者:関口舞(津田塾大学 学芸学部英文学科)